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【小野田智之さんに聞く!】物質と精神の橋を渡す 〜音と形、フォノグラムの世界 (3)

昨日に引き続き 小野田さんに聞く!第3弾。

 

果たして、身体調整も、楽器の制作にも、終わりはあるのでしょうか?

新しい科学へ向かう道筋について、数学について。

どうぞ、ご一読ください!

 

 

―共同研究者の方が亡くなられてからもずっと研究を続けられたんですね。

 

その時期がいちばんしんどかった時です。30歳ちょっとくらいから、結果が出た39歳くらいまでかな。

 

―「結果が出た」っていうのは、どういうことですか?

 

等音面の物理的データが出た、ということです。あれが出るまでは何一つ言えなかった。あれが出てやっと言えるようになった。

 

物理的な実証は永久にできないと思いながらやっていました。それができないとすると、どういう証明方法があるかというと、論理矛盾のない論理体系にするしかない。

数学っていうのは、実証されなくても論理矛盾なく展開していければ、それはそれでひとつの世界です。これを学会でおさめれば、それはそれで一応価値のあることだし、初めからそのくらいしかできないだろうと思ってやっていたんだけど、物理の実証ができたために、そこから一気に今までのフォノグラムの数理研究が実を結んだわけです。それをまとめたのが「等音面の確率過程」っていう論文です。ネットで公開しているものになります。

http://tomoyukionoda.com/page-443/#

 

あれは学会でちゃんと発表したんですけど、さすがに皆うなってはいましたけど「よくわからん」という感じです。専門家も、形式的には理解できるけどその真意までは理解できなかった。あれは、本当にすごいんですよ、シュレディンガー方程式が出てくるから。シュレディンガー方程式っていうのは量子力学の基本方程式なんですけど、等音面を数式化してきても、同じ方程式にたどり着く。シュレディンガー方程式っていうのはミクロの量子力学の世界を扱う方程式ですが、それの現実モデルっていうのは非等音面にランダムノイズを乗せたときの砂粒一個の動きと全く同じだっていうこと。つまり、現実モデルとして、非等音面で砂粒一個動かしたら、粒子の動きと一緒ですよっていうことで、これだけでも結構凄い話なんですよね。でも、論文の意味がわかってないから、本意まではわからない。

 

そういう学会発表みたいなこともしばらくやっていたけど、馬鹿らしくなっちゃって、もういいやって思った。そのときに助けてくれる人がいて、小野田さんはもう自分でやったほうがいいですよ、って言ってくれて、それで、自分の名前でHPを作り出しました。それでちょっとずつこういう形になってきたわけです。

 

―HPを作って、そして、このように一般に教えるっていう活動を始めたのですか?

 

はじめは楽器を作って売ろうかなと思っていたんだけど、それでいっぱいになっちゃったら嫌だなと思ったから、職人を増やそうと思った。同じことを出来る人をつくろうと思った。そうしたらブーちゃん(小飯田さん)とかが来てくれて、だんだん、今のような形になってきました。

 

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板のフォノグラムを取る練習

 

―身体でも楽器でも終わりのない作業に見えるのですが.....

    終わりはあるのですか?

 

ある。あります。そこに連れて行ったときに、みんなが絶対同じ見解になるはずです。それが「真我」という状態だと思う。もしそれより先があるとしたら、自分は知らないし、あるとも思えない。

 

でも本当に、楽器が唯一のものだと思います。身体の宗教上言われている変化がちゃんと研究できるものは。科学と宗教、精神と物質を結ぶ唯一の道は楽器研究しかないと思う。ほかのものでは無理だと思う。そこには同じ数理が働くからです。この橋をつなぐことが、この研究でたぶん一番重要だと思う。この道がつけば、人類はこの道筋から新しい科学を研究する道ができるから。もう限界なんですね、超ひも理論にしても、前頭葉の世界ですからね、全部。どれだけ行っても、電磁場のこねくり回しでしかない。

そうではなくて、内のほうに向かう科学。

そこに向かうのはこれしかないんです。音と形しかありません。

 

―数学的に正しいものは必ずしも物理的に証明できるものではないのですか?

 

全然関係ない。全くありません。

 

―では、数学的に証明できることとは何なのでしょう?

 

数学の世界の中だけで成り立つ真理です。正三角形の内角の和は180度であるっていう命題がありますよね。正三角形をこの世で書けますか?書けないでしょう。だけど、ものすごく汎用的に使える。智慧の体系だから、もちろん物理とか工学には非常に応用が利くわけです。

 

でもね、例えば量子電磁力学っていうのがあるんだけど、数学理論の値と実測値との誤差がどのくらいかというと、数万分の1より小さい。つまり、数学と物理はほぼ一緒と言えるくらい。これはこれですごい。

物理はほぼ数学で書かれているって言ってしまえるくらいの厳密さです。

 

アインシュタインの有名な言葉で「理論があって初めて何を観測されるかが決定される」っていう言葉があります。たとえば重力波がそうですよね。重力波っていうのはアインシュタインの理論から演繹されて、「こういうものがあるだろう」と予言された。数学が無ければ予言出来なかったわけです。理論があって、予言されたものが、100年後にやっと実体として観測されたわけだから。

だから、理論があって初めて何を観測されるかが決定される。実体が先なのか、予言が先なのか。でね、これが面白いことに、物理の事実は必ずその事実が起きる何十年か前に数学が先に予言しているんです。

ここにね、数学の不思議さを見ちゃうんですよね。面白いでしょ?

 

(聞き手:大津 明子)

  

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京都教室での制作風景